建設に憧れてこの道へ
大学で海洋建築工学を学び、建築に携わる仕事を希望していました。ゼネコンに絞って就職活動をしましたが、あえなく全敗。就職サイトを使って「建設」のキーワードで検索したら、一番上に出てきたのが藤井建設の名前だったんです。最初は偶然でしたが、会社のことを調べてみると、コンクリート構造物のスペシャリストで、ベニヤを使わない型枠や曲線の構造物をつくれるアールの型枠など、他社にはない技術を持った会社だと分かって。これは面白そうだと、その技術力や業務内容に興味を持ったのが入社のきっかけです。
施工管理の仕事は、その名の通り施工の管理をすることで、人の手配や材料の手配、現場の安全管理や進行管理など。大工、鳶(とび)、板金など、さまざまな職人さんとチームを組んで現場作業を行なうため、それぞれの仕事がスムーズに進むように工程を組んだり、円滑にコミュニケーションができるように気遣ったりするのも大切な役目。強面の職人さんも多く、最初はおっかなびっくりでしたが、今では「頼れる兄貴」という存在です。たくさん話をすることで信頼関係も深まってきたと感じています。
失敗しても諦めないことが大切
現在のように職人さんと気軽に話すことができるようになる前は、正直、施工管理職としての役割を果たせていませんでした。現場の雰囲気を和気あいあいと楽しく、というようなレベルの話ではなく、コミュニケーションが取れていないことで作業に支障が出てしまったんです。現場のことをよく知らない新人だから、分からないことだらけなのに誰にも相談せず抱え込んでしまって。初めて任された現場で、何もできず右往左往していたら、所長に激怒され、頭突きされたこともあります。それ以来、自分の役割をしっかり自覚し、分からないことは相談する、そして自分から進んで話しかけることを心がけるようになりました。例えば、ある工程がうまく進むか不安があるときも、あらかじめ現場のみんなにその内容を相談しておけば、トラブルが起こらないように対策を練ることができます。職人さんとのつながりが深まるにつれて、仕事もうまくいくようになり、コミュニケーションの大切さを改めて実感しています。
筋道を組み立てるのが面白い
施工管理の仕事は、現場が動き出す前の段取りが8割。仕事において大切なことは、しっかりと計画を立てること、そしてそれを守ること、これに尽きます。計画を練る段階では、どうすればそれぞれの職人さんが作業をしやすいかを第一に考え、図面を引くところから始めます。その他、より安全な環境をつくるための配慮や、無駄な手間や材料を省いてコストダウンを図る工夫など、「こうすればもっと良くなる」というアイデアが生まれたときはすごく楽しいですね。
また、現場での作業が始まってからも、随時計画や図面を見直しブラッシュアップを重ねます。複層階の建物なら、1階の作業よりも、次の2階の作業をするときはもっとやりやすくなるように。最初に描いた図面や計画通りに進まないことも多いですが、現場の状況をしっかり観察し、職人さんの声を聴き、いかに図面や計画を修正していくかが腕の見せ所。仕事のやりがいや面白さを感じるのも、まさにこの部分です。